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あなたの診断は

救急車で「腹痛」で運ばれてきた男性は、案外ケロっとしていて、トイレにも自分で歩いていける。

診察してみると、腹痛としてはそこまで強くなく、どこが痛いのかははっきりしない。

以前のカルテを見ると、「万引き」、「弁護士に訴えるぞと声を荒げる」、「生活保護」などあまり良い言葉が並んでいなかった。

救急車で運んできてくださった救急隊の方も、スタッフも、研修医も、少し冷ややかな対応になっていった。

検査の結果から腹痛の原因は恐らく、便秘によるものが第一に考えられた。

しかし、ここで彼に「診断」をつけて家に帰すことは、総合診療医としては何か違うと感じた。

研修医から、「はやく帰しましょう。」という強い重圧はあったが、「診断をつける」から彼の「歴史を紡ぐ」作業に変更した。

誰と住んでいるのか、どうして一人で住んでいるのか、いつ奥さんと別れたのか、どうして奥さんと別れたのか、奥さんはどうして早くに亡くなってしまったのか。

以前はどんなお仕事をしていたのか、どうしてお仕事を続けれなくなったのか、今でもそのお仕事はやりたいか。

彼の歴史がカルテの中で紡がれていくと、なぜ軽い腹痛で救急車を使ってしまったのかが少しずつ見えてきた。

雨が降る、真っ暗な部屋で、「貧しさ」と「孤独」に震える中、急にお腹が痛くなる。

タクシーを呼びたくてもお金がない、、

不思議なことに歴史を紡いでいくと、僕が彼に診断をつける前に「先生、俺の腹痛は便秘のせいかもしれん」、「家で一人でいるのが不安だったんだ」とご自身で診断をされた。

「痛み止めを貰って帰るよ」ご自身で方針と治療法を告げられた。

「また、たこ焼きを焼こうかな。昼間はやっぱり働きたいな。」ご自身で予防法まで教えてくださった。

「患者が答えを持っている」

また、一つ学ばせてもらった一例でした。

「万引き常習犯の生活保護」という、彼の不名誉なカルテは今日上書きされた。

僕はもう彼に会わないかもしれないけれど、次の誰かが彼に会った時に一人の”孤独”という大病を患った人として”愛”を持って接してくれれば幸いです。

“Listen to the patient. He is telling you the diagnosis”-William Osler

ペルのソナタ

おひさしぶりです!夏が終わります。

夏なのに海は閉鎖しているし、お祭りも、浴衣で金魚すくいも、太鼓の音に合わせた盆踊り大会も、君がいた夏も、空に消えていった打ち上げ花火も、遠い夢の中ですよ!


この半年はなんだか季節感をほとんど感じないままに過ぎてしまいました。


おかげさまで元気があり余っているので、コップを洗っていたら握っていたコップが粉砕して皮膚がベロンとなりました。


花火が見れないならばと、夏の花火大会をイメージして頑張って作ったガラスコップが割れて


パッと小指が(パッと小指が)静かに切れて(静かに切れて)真っ赤に咲いた(真っ赤に咲いた)

医療センターに駆け込んで優しい皮膚科の先生に皮膚縫合を体で教えてもらいました。


Dr.コトークの「離島で使える」ひとくちメモ

・局所麻酔はポケットで人肌にして温めておくと注射するときに痛くないよ!

・麻酔の注射は感染を疑わなければ切開創部から注射すると痛くないよ!

・「関節部」、「脂肪が見えるまでの深い傷」は縫合の適応だよ!

・手や腕などの神経や腱が多い場所は真皮縫合ではなくナイロン糸などで単結紮縫合しよう。

こんな感じで、しょうもないことを書き続けてこのブログも4年が経ちました。

ブログを4年もやっているのに、実は小徳は「ペルソナ」ってことを知りませんでした。

ペルソナ?小徳はそれなんてerg?状態でした。

「ペルソナ(persona)」とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。

実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。

つまりブログで言うとターゲット的な感じかな?と思っていたらもっと細かいんです!

ターゲットが「20代〜30代、女性、主婦、料理好き」に対して、

・ペルソナ
山田花子
28歳
女性
専業主婦
都内に住む
夫、長女(5歳)、次女(3歳)の4人家族
料理、カフェめぐり、ランチが趣味
Instagramで料理系のアカウントを日頃チェックしている
自身もレシピブログを開設している
友人とのやり取りではLINE、Facebookを使用することが多い

https://ferret-plus.com/8116

いや!細かい!身近な人だったら特定できるやん!ってくらい具体的なんです!

これがあることの利点としては、複数の人や会社でアカウントを運営しているときとかにペルソナがはっきりしていることで発信する内容だったり、雰囲気がぶれない。

なるほどなあ。

小徳のブログのペルソナは何だろうかと考えているときに。

部活の先輩から以前「コトクのブログはいつもうんこしている間に読み終わるから読みやすい」って褒められたことあるので

仕事で忙しい人が排便中でも読み終わる軽いブログをこれからも続けていこと思います。

Glocal and . . .

どうも!離島医療大好きおじさんです!


「どうしたコトーク?おじさんなんてらしくないじゃないか。君は永遠の17歳だろう。」

心は17歳でも、体は正直だからちょっと走っただけでバキバキになるんですよ。もう、マラソンなんて走れないですね。

、、そう!マラソン!

最近、(良い意味で)年を取ったなと感じたのは、若いパワーに圧倒されたからなんです!

みなさん、「アイディアソン」って知ってますか?

「アイデアソン(Ideathon)」は、アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語で、ある特定のテーマについて多様性のあるメンバーが集まり、対話を通じて、新たなアイデア創出やアクションプラン、ビジネスモデルの構築などを短期間で行うイベントのことを指す。

https://www.buildinsider.net/hub/hackideathon/01

ある一人の「離島医療は大事だ!」って思った医学部の学生から「多様な学部の学生を集めた、離島医療についてのアイディアソンをZOOMでしたいのですが参加してくれませんか?」と依頼がありました。

そのほかにも、離島系メディアの方だったり、イギリスの家庭医の先生だったり、離島医療のすごい人だったり、医療ベンチャーの代表だったりが登壇者としてお話ししてくださるとのことでした。

この子のカリスマ性、、恐ろしい!!

ガラスの仮面より

アイディアソンでは、2日間、先に述べた登壇者の方から具体的にどんな離島では問題があるのかを様々な視点でレクチャーしてもらい、それを踏まえながら チームに分かれ、それに対してどんな解決策があるかのアイディアを出し合い、形にして発表するものでした。

コトクもちょっとだけ最終日に「離島医療×社会的処方」という話をさせていただきました!!

おじさんは、zoomの使い方が分からず、発表に手間取りましたが聞いてくださった方ありがとうございました!!

そして、実際に学生さんに混じってアイディアソンを走らせていただきました!

コトクのグループは、1日目で出た問題を抽出して『移住を増やす健康的で魅力的な島』にする

『ちゆの島プロジェクト』という案を出しました!

島のあちらこちらに、気づいたら健康になってしまう仕掛けがある島で

スウェーデンの取り組みを参考に、歩いたら音が出る鍵盤型の階段だったり

ノンアルコール居酒屋、一日3回いきなり島内放送で流れるラジオ体操だったり、、

その島に住むと健康になる『治癒の島』

健康になる秘訣が眠る『知有の島』

そんな『治癒の島』と人が沢山繋がる『地結の島』

こんな感じでアイディアを朝から晩まで出し続けて、ひたすら頭を使って、終わった後はヘトヘトでしたが、めっちゃ楽しかったです!!

そして、他のグループや、話し合いの中から出てきたプロジェクトを実際に行動しようと、ついに学生団体まで立ち上がっちゃいました!!

その名も「Glocaland」です!!

globalとlocalを合わせたglocalで、国際的な視点をもって地域を考えるというメッセージを込め、最後にlandをつなげて島の要素も含めました。そして、“glocal and…”という「glocal×医療」「glocal×移住」「glocal×教育」などのようなglocalな観点で様々な事に取り組むという意味を込めています。

琉球大学医学部5年 大見謝先生

やはり、若さはすごい!!あっという間に大きな波になりましたね!!

この発起人である東京医科歯科大学医学部の山田先生はイギリスで研究したり、グローバルに活動しながら、国どうしの健康格差だけでなく、日本国内の地域間での健康格差、特に離島における本土との健康格差に着目しました。

例えば、沖縄の竹富島では、2013年度における全死亡者に対する65歳未満の死亡率は23.3%で全国平均の約2倍、特に男性では33.3%で中央アフリカのガボン(2017, UN)と同じ水準なんです。

彼はこの国内間の健康格差について離島医療という切り口で、どうにかしなければと思い立ち上がりました。

だけど、そんな優秀すぎる彼の心を動かすきっかけになったのは、死亡率の差とか、そんな数字的なことではなくて、沖縄の空港で出会ったパイナップルを売るおばあさんだったり、彼に心で接してくれた島民のやさしさに触れたからだったのです。

彼の心の中で起きたその優しい、小さな波が、この大きな波に変わりました。

この学生団体の波が、これから日本だけでなく、世界中の離島、僻地の医療を大きく変えてくれるのだと思います。

こんな「Glocaland」の活動に協力いただける仲間、応援してくれる方を募集しています!!興味のある方はご一報ください!!

https://www.glocaland.org/