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大きな河

すっかり寒くなってきましたね。今年もあと少しで終わりです!!早い!!

ちなみに、11月11日小徳は誕生日でした!!28歳!!めでたい!!

これからもよろしくお願いします。

小徳は産科総合診療医を目指して、現在は鹿児島大学病院で産婦人科の研修をしています。

医局という、白い巨塔の底辺で相変わらずヒーヒー言いながら、なんとか頑張っています。

先日、医局の同門会というOB会みたいな会がありまして、偉い先生達が集まる場所で発表を行いました。

毎年、新入局員は何かしら発表しなければいけないので小徳は『世界のDr.コトーに会いに』というGoing My Wayな題名でオーストラリアやノルウェーでの離島医療について話してきました。

オーストラリアの木曜島のSam先生は隣のパプワニューギニアまで国境を問わず、患者さんを助けていて

ノルウェーのGry先生はオーロラの下で船に乗って隣の島まで往診に行ってたり

日本では僕らのDr.コトーこと瀬戸上先生がアルバカーキで開かれたWONCA(世界家庭医機構)の学会で初回の「Island Medicine Award」(離島医療賞)を受賞されました。すごいことです!!

本当におめでとうございます!!

初めて瀬戸上先生のもとで研修医として離島医療を経験した時に『離島医療は一つの学問だ』とそう感じました。

そして、今、世界中で起きているこの流れを見ていると、世界が変わる瞬間を見ているのではないかと感じました。

ジョン・ホプキンズ大学生物学教授のカール・P・スウォンソン博士がおっしゃった様に

『学問』とは、河の流れのようなものだ。
大きな河もその始まりはちょろちょろと流れる水。
人と人の研究の力を集め、色んな考えの流れを汲み入れ、だんだんと大きくなり、『学問』という河は深みを増し、広くなっていく。

カール・P・スウォンソン博士

僕は改めて『離島医療は一つの学問である』とそう思いました。

この『離島医療』という大きな河に世界中から大小様々な川が流れ込んでいます。

僕もその一つになれたらなと思っています。

今年もたくさんお世話になりました。来年の小徳もよろしくお願いします。

離島医療文化人類学@オーストラリア

G’day mate! ゲネプロ2期生の小徳です!!

さあ、ここはどこでしょう?

オーストラリアの僻地dalbyに来ています!!

Dr.コトーを目指して鹿児島に行ったら、長崎の五島に行って、どういうわけか今オーストラリアの僻地にいるのだから人生何があるかわかりませんね。

お約束のウンチを踏みました。

ゲネプロの2期生9名はそれぞれ、1年の国内の僻地医療研修をこの3月で修了し、オーストラリア、モンゴル、ネパール、アメリカ、キューバ、離島(日本)と、それぞれの世界の僻地研修へと飛び立ちました。

小徳は最初の1ヶ月はオーストラリアのQueensland州にあるDalbyという街に来ています!

Brisbaneから車で3時間の農業、工業を中心とした人口12000人の綺麗な街です。

僻地といっても、街にはおしゃれなカフェやスーパーもたくさんあります。
なので、ブリスベンを東京とすると茨城、山梨みたいなところとイメージしていただければ、もしくは福岡からの佐賀的な?

広大な土地と牛と野生のワラビーがいます。

最初の1週間は私立のmyall medical practiceというクリニックを見学させていただきました。



Ross先生が指導医で小徳の貧相な英語にも関わらず、丁寧にオーストラリアと日本のシステムの違いを教えてくれました。

Ross先生は小徳の理想とする GP(総合診療医)でDalbyで産科総合診療医として、ひ孫からひいお婆ちゃんまで5世代を守る家庭医です。

オーストラリアのGPはすごいぞー!

特に皮膚科に強い!!(皮膚ガンが多いから)


そして、これは小徳です。

tick(ダニ)が小徳の背中に食い込んで、めっちゃ焦ってメチャクチャな英語でRoss先生に電話したら、週末の夜にも関わらず取ってくれました。

優しくて、紳士的で、教育熱心!!

小徳はこの3ヶ月は医療をしに行くわけではないのです。診断したり、新しい治療法を勉強するわけではないのです。オーストラリアに実際に行って、現地の言葉を学んで、文化を理解し、日本との違い、共通点を比較検討するのです。

これって何かに似ていませんか?

そう、『文化人類学』という学問のフィールドワークです!!

(1)現地語の習得、(2)長期にわたる観察、(3)参与観察ですよ!!

もともと文化人類学は、欧米の人類学者が遠い外国の奥地を訪れて、文化を観察し記述するところから始まりました。欧米の人類学者たちが驚いたのは、「未開」だと思っていた地域にも独自の社会システムがあり、欧米とはまったく異なる方法で、実にうまく機能している、ということでした。(中略)
人類学者たちは次第に、自分たちの文化に対しても目を向けるようになります。外国の文化を観察するのと同じ目線で、自分たちの文化を見つめ直すようになったのです。そうすることで、今まで当たり前すぎて意識もしなかった自分たちの風習や日常的な行為が、実は当たり前のことではなかった、と気づくようになります。
(略)日常の「当たり前」を一歩引いたところから眺める目を養ってくれる学問、それが文化人類学です。

『当たり前』を問い直す文化人類学とは?

オーストラリアの僻地医療が全部そのまま、日本の医療システムに合うとは限らない、でも百聞は一見にしかず。オーストリアの僻地医療を見ることで、日本の医療が見えてくる。

『離島医療文化人類学』、、面白い学問ではないですか?

発見とは人と同じものを見ながら、人の気づかないものを見つけることである ~ セント・ジェルジ(ハンガリー医学者)

それでは、また!!