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Glocal and . . .

どうも!離島医療大好きおじさんです!


「どうしたコトーク?おじさんなんてらしくないじゃないか。君は永遠の17歳だろう。」

心は17歳でも、体は正直だからちょっと走っただけでバキバキになるんですよ。もう、マラソンなんて走れないですね。

、、そう!マラソン!

最近、(良い意味で)年を取ったなと感じたのは、若いパワーに圧倒されたからなんです!

みなさん、「アイディアソン」って知ってますか?

「アイデアソン(Ideathon)」は、アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語で、ある特定のテーマについて多様性のあるメンバーが集まり、対話を通じて、新たなアイデア創出やアクションプラン、ビジネスモデルの構築などを短期間で行うイベントのことを指す。

https://www.buildinsider.net/hub/hackideathon/01

ある一人の「離島医療は大事だ!」って思った医学部の学生から「多様な学部の学生を集めた、離島医療についてのアイディアソンをZOOMでしたいのですが参加してくれませんか?」と依頼がありました。

そのほかにも、離島系メディアの方だったり、イギリスの家庭医の先生だったり、離島医療のすごい人だったり、医療ベンチャーの代表だったりが登壇者としてお話ししてくださるとのことでした。

この子のカリスマ性、、恐ろしい!!

ガラスの仮面より

アイディアソンでは、2日間、先に述べた登壇者の方から具体的にどんな離島では問題があるのかを様々な視点でレクチャーしてもらい、それを踏まえながら チームに分かれ、それに対してどんな解決策があるかのアイディアを出し合い、形にして発表するものでした。

コトクもちょっとだけ最終日に「離島医療×社会的処方」という話をさせていただきました!!

おじさんは、zoomの使い方が分からず、発表に手間取りましたが聞いてくださった方ありがとうございました!!

そして、実際に学生さんに混じってアイディアソンを走らせていただきました!

コトクのグループは、1日目で出た問題を抽出して『移住を増やす健康的で魅力的な島』にする

『ちゆの島プロジェクト』という案を出しました!

島のあちらこちらに、気づいたら健康になってしまう仕掛けがある島で

スウェーデンの取り組みを参考に、歩いたら音が出る鍵盤型の階段だったり

ノンアルコール居酒屋、一日3回いきなり島内放送で流れるラジオ体操だったり、、

その島に住むと健康になる『治癒の島』

健康になる秘訣が眠る『知有の島』

そんな『治癒の島』と人が沢山繋がる『地結の島』

こんな感じでアイディアを朝から晩まで出し続けて、ひたすら頭を使って、終わった後はヘトヘトでしたが、めっちゃ楽しかったです!!

そして、他のグループや、話し合いの中から出てきたプロジェクトを実際に行動しようと、ついに学生団体まで立ち上がっちゃいました!!

その名も「Glocaland」です!!

globalとlocalを合わせたglocalで、国際的な視点をもって地域を考えるというメッセージを込め、最後にlandをつなげて島の要素も含めました。そして、“glocal and…”という「glocal×医療」「glocal×移住」「glocal×教育」などのようなglocalな観点で様々な事に取り組むという意味を込めています。

琉球大学医学部5年 大見謝先生

やはり、若さはすごい!!あっという間に大きな波になりましたね!!

この発起人である東京医科歯科大学医学部の山田先生はイギリスで研究したり、グローバルに活動しながら、国どうしの健康格差だけでなく、日本国内の地域間での健康格差、特に離島における本土との健康格差に着目しました。

例えば、沖縄の竹富島では、2013年度における全死亡者に対する65歳未満の死亡率は23.3%で全国平均の約2倍、特に男性では33.3%で中央アフリカのガボン(2017, UN)と同じ水準なんです。

彼はこの国内間の健康格差について離島医療という切り口で、どうにかしなければと思い立ち上がりました。

だけど、そんな優秀すぎる彼の心を動かすきっかけになったのは、死亡率の差とか、そんな数字的なことではなくて、沖縄の空港で出会ったパイナップルを売るおばあさんだったり、彼に心で接してくれた島民のやさしさに触れたからだったのです。

彼の心の中で起きたその優しい、小さな波が、この大きな波に変わりました。

この学生団体の波が、これから日本だけでなく、世界中の離島、僻地の医療を大きく変えてくれるのだと思います。

こんな「Glocaland」の活動に協力いただける仲間、応援してくれる方を募集しています!!興味のある方はご一報ください!!

https://www.glocaland.org/

暗い地下室で病まないでください

救急外来に若い女の子が過呼吸で来ました。


彼女は島を高校卒業と同時に出て、大きな街で事務職員として働き始めました。

夜道で引ったくりにあってから、過呼吸発作が出現するようになり仕事も休みがちになり、数年前に島に帰って来ました。


現在、お母さんと2人で暮らしていて、少しずつお母さんの職場でお母さんの仕事の手伝いをするようになりました。
人前に出ると過呼吸発作が起きてしまうから、暗い地下室でなるべく人に会わないように、静かに仕事をしています。

この島には月に一回精神科の先生が来るから、色んな種類の眠剤と抗不安薬を処方してもらっているけど、今でも暗い夜道を一人で歩くと、とてつもなく不安な気持ちになります。

まだ、20代前半の彼女はいつまでこの生活を続けるのだろうか?


いつかその暗い地下室から出て、普通にオシャレして、笑いながら友達と過ごす日は来るのだろうか?

もし、あの時引ったくりにあっていなかったら彼女の人生は違ったのだろうか?
もし、もう少し治安の良い街にアパートを借りれたら引ったくりにあわなかっただろうか?
もし、お母さんがお父さんと離婚していなかったら違っただろうか?

、、、

しばらく救急外来で休んで、過呼吸が治った彼女は、また暗い地下室と家を往復する生活に戻って行きました。

彼女は生まれてこの方、何も悪いことなどしていませんが、様々な要因が今の彼女の人生を形成しています。

ちなみに、この彼女も、島も、実在しません。

しかし、色んな島や地域で似たような患者さんに出会います。ひと時の傾聴と抗不安薬を処方するだけの自分に無力感を感じない医師はいないはずです。

離島や田舎に生まれたから不健康になる、良い職業に就けない、良い暮らしが出来ない。そんな時代は僕らの時代で終わらせなければいけません。

ITのおかげで世界のどこにいても、世界中の授業をスマホで受けれて、クリックひとつで欲しいものが明日にはネットで届くのです。

離島だろうが、田舎だろうが、僕らは何にでもなれる。何でもできるはずです。

そして、僕たち医療者は、患者さんの病気になった『原因の原因』を知ろう。そして、何かしよう。

北欧にはこんな言葉があります。

『何かやろう。もっとやろう。もっとうまくやろう。』

そして、そんな病気になっても幸せな社会を作るのは、僕ら医療者だけでは当然不十分です。

市民の一人一人が隣の人に、『社会的処方箋』を渡して行くそんな世界は素晴らしくないですか?

社会的処方 西 智弘先生

『原因の原因』は何でしょうか?元世界医師会長のマーモット先生は医師人生をかけて、証明し、言葉で、数字で表現しました。

健康格差 マイケル・マーモット先生

僕らにも、何かできることがあるはずです。

『何かやろう。もっとやろう。もっとうまくやろう。』