出産はおそれず、あせらず、あなどらず
お疲れ様です!上五島病院内科小徳です!
とても楽しい楽しいオーストラリア旅行(学会)が終わり
帰りの飛行機の中
海外旅行の隠れた楽しみ
今まさに映画館でやってるような最新の映画が見放題
という幸福の中
「さよならクリストファーロビン」を観て
プーさん、、、
ってちょっとノスタルジックに近いおだやかな時間を過ごしていると
”If there is a doctor on board, would you please make your way to the front of the plane.”
ご搭乗中のお客様でお医者さんはいらっしゃいませんか、いらっしゃいましたら前の方にきてください。
はい、きました
人生で体験したいシチュエーションTOP3に絶対入ってくる
1位 乗ってた船が漂流して「なぜか」クラスの好きなあの子と二人で無人島に流れ着く
2位 エレベーターが止まって「なぜか」クラスの好きなあの子と二人っきりになる
3位 飛行機の中で「この中にお医者さんはいらっしゃいませんか」に遭遇しドヤ顔で手をあげる
ちなみに小徳は中高6年間男子校だったのでクラスに好きな子はいませんでした
男の子のフリした堀北真希もいませんでした
機長室の手前の小さな部屋に行くと
お腹の大きな少し太り気味の女性がお腹を抑えて苦しがっていました
周りは破水して水たまりができている
お腹の痛みは2分おきで圧痛はなし
出産は2回目とのこと
もう赤ちゃんの頭がこんにちはしています
専門は違いますが産科の覚えはあります
Always三丁目の夕日の森山未來のごとく颯爽と登場し
取り上げる準備をします
清潔な布と縛る糸、清潔なハサミ
出産はおそれず、あせらず、あなどらず
陣痛に合わせてお母さんに”いきんで”もらいます
しかし、赤ちゃんの頭は出たり入ったりを繰り返し
中々出てきません
もしかして、、、肩甲難産!?
さあ、こんな時、あなたはどうしますか??
注:今までの話は当然フィクションです!
もちろん、妊娠、出産は病気ではありません。
ほとんどの、出産は医師を必要としない正常分娩です。
極端な例だと
「家のトイレで出てきて赤ちゃんが便器に落ちちゃった」
って人がいるくらい赤ちゃんは
自然と
”おそれず、あせらず、あなどらず”待てば
出てきます
しかし、稀にこういったケースに遭遇する可能性があります
そんな時のための勉強会
長崎ALSO Japanに行ってきました
上の様なロールプレイをマネキンを使いながらみっちり2日間練習して
最終日に筆記試験と実技試験がありました
上五島病院では内科の勉強しかしていなかったので
最初の小テストは壊滅的で
指導の先生に1日目の帰りに
「みんなは大丈夫受かるよ!!あ、小徳君は勉強しようね!!」
って言われました、、
でも、難しい語呂合わせを踊りながらみんなで覚えたり
休み時間に先生たちが教えてくれたりして
最後の試験はなんと実技試験は100点でした!!いえーい!!
出産に高度な医療はいらない
人間が、動物が、誕生してからみんな自然とやってきたことだから
”こんな島の病院では産めない”
という若い妊婦さんもいます
本当にそうでしょうか?
高度な医療がないと出産できないのなら
人間はいつか滅びるでしょう
その地域は人がいなくなるでしょう
地域にお産は大事だけど
産婦人科専門医の数には限りがある
いつか、日本に当たり前の様に家庭医、総合診療医がお産を取れる日が来たら良いですなあ
お産をこわいと思うのはお母さんも、医療者も一緒
でも大事なのは
この世の中に生まれてくるのを楽しみにしてる赤ちゃんを受け入れる気持ちですよね
Common baby!! 大丈夫!この世界は狂ってるけど楽しいよ!!出ておいで!!
最後にせっかくだからプーさんの言葉で終わります
“いつも覚えておかなくてはならないことがある。きみは思っている以上に勇敢だし、見た目より強いし、意外と頭がいいってこと”
少しだけ勇気が出ないみなさんが明日は少しでも勇気が出せますように!