「お風呂場にハブがいて噛まれました」〜離島医療あるある
「お風呂場にハブがいて噛まれました」
あ〜、離島医療あるある。
いや、ナイナイ!
お風呂場にハブは滅多にいない!こわい!
あけましておめでとうございます!!
先日の救急外来当直ではお風呂場でハブに噛まれた男性が救急車で来られました。
「お風呂場にハブ!?こわー!!」
と奄美に来た実感がやっとこさ湧きました。
ハブに噛まれた場合はハブの抗毒素を打つ場合と打たない場合がありますが、これは救急の先生と外科の先生で意見が少し違います。
救急の先生としては、20%の人が抗毒素を打つことによってアナフィラキシーショックが起きることがあるから慎重に打つ人と打たない人を見極めるとのことですが、
外科の先生はハブに噛まれて腐った足をいつも切断しているためアレルギーとか言ってられない、と躊躇せず抗毒素を打ちます。
しかし抗毒素よりも大事なのは、噛まれた部位をすぐに切開し、洗浄することです。
ハブの毒素は筋肉などの細胞を破壊して行くため、噛まれた場所からどんどん壊死していきます。そして、ハブの口の中の嫌気性の細菌がその壊死してドロドロになった細胞を栄養にして繁殖するとガスが発生し足がパンパンに膨れ上がります。
切開して空気を入れることによって、嫌気性の菌の繁殖を防ぎます。そして、壊死した細胞を洗い流すことで、菌の繁殖を防ぎます。
足を切断するかしないかは時間との勝負になります。
この方は、切開した先の筋肉は壊死所見(筋肉が黒ずんでいる)はなかったので足を切断せずに済みました。
ハブ咬傷恐ろしいです!