井戸の柄
あけましておめでとうございます!!
五島列島からオーストラリア、ノルウェーそして鹿児島に戻って来て、産婦人科を始めて、、あっと言う間に2019年が終わってしまいました。
2020年は今まで吸収したことを社会に還元出来たらと思っている所存です!!
さてさて、新年早々皆さん風邪とかインフルエンザにかかってないですか?
体重が増えたり、血圧がいつもより上がってないですか?
職場が変わってから風邪を引きやすくなってないですか?
そういえば、この前友達のA君が下痢していたな。
その前はB君が同じような下痢をしていたな。
1週間前は担任の先生も下痢をしていたな。
え、これって感染症??パンデミック??
大変!!A君を監禁しなくちゃ!!
ちょっと待って!!
ジョン・スノー
A君、B君、先生、他の同じ症状が出た人たちの家をこの地図で埋めてこう。
どうやら、この井戸の周囲の人だけが下痢になっているみたいだな。
ふー、捜査疲れましたね。
ちょっと休憩。
え、イタタタ。
この井戸じゃん!原因!!
ってのをロンドンでコレラが大流行した時に発見したのが医師であるジョン・スノーで、この井戸の柄を取り外した途端に死者は急速に減少し、コレラの大流行は終息を迎えました。
この学問を疫学、そして公衆衛生と言います。
前置きが長くなりましたが、現在小徳は産婦人科医として子宮頸がんの検診をしたり、子宮頸がんの手術を行っています。
毎年『日本』でも約1万人が子宮頸がんのせいで子宮を失い、約3000人が命を失っています。
子宮頸がんはHPVワクチンでほとんどが予防できる病気です。
それでも、HPVワクチンに関するネガティブな報道により日本の接種率は現在1%をきっています。
また、産婦人科への敷居の高さなどから検診の受診率も依然低いままです。
僕たち医師、産婦人科医は病院で、子宮頸がんと診断された人達をただ待って、手術するだけで良いのでしょうか?
スノー先生が井戸のポンプの柄を取ったようなことがどうすればできるでしょうか?
川の流れにたとえると、川に溺れている人を助けるために医師が自分を鍛える(3次予防)のも大事ですけど、そもそも、その溺れている人は泳ぎ方を知っていたのか?どうして川に溺れてしまったのか?(2次予防)上流で柵や橋をかけれなかったのか(1次予防)?
もしくは、川の近くで「危ないよ」と声をかけ合う人と人のつながりの豊かな街づくりをする(0次予防)のが大事なんでしょうか。
今年は少しずつ病院の外での活動もできますように。