明け方の帝王切開〜「先生が手術に入ってね」
今日は明け方に緊急帝王切開で呼ばれました。
切迫早産で長いこと入院していた患者さんでした。
いよいよ予定帝王切開でのお産が近づいていた真夜中、陣痛が先にきちゃいました。
その前の健診で、患者さんと「自分が手術に入るから」と約束していたので走っていきました。
真っ暗な病院までの道を走っているときに
オーストラリアのruralGP(産科総合診療医)のマックスウェル先生が
「僕はもうお産は引退したけど、今日の帝王切開は患者さんと約束してたから」と走って行ったのを思い出しました。
マックスウェル先生はオーストラリアのダルビーという小さな町でひ孫からひいおばあちゃんまでの三世代の健康を見守る本物の家庭医。
小徳がオーストラリアの僻地医療を学ばせてもらった時に、いつも丁寧に教えてくださった紳士的な先生。

あれから3年。
あの時は小徳はまだ総合診療医の駆け出し。お産なんか取ったことなかったし、人のお腹を切ったこともなかった。
あれから3年。奄美大島で妊婦さんと向き合い続けてきました。
お産がとれる家庭医の道のりは遠いけど、
少しずつ憧れのruralGPに近づいているかな。

グアバの実を収穫して感じた「考えて行動すること」が最強説
「考えて行動する」が最強?
当たり前じゃないかと思う方もいるかもしれませんが、コトクは「考えないで行動する」派だったので、それに気付いた時は目から鱗でした。
数時間の出来事でしたが、人生が詰まっているなと思った経験をしたので共有します。
うちの病院の図書室の窓から中庭に生えているグアバの木が見えます。(さすが南の島!)
そして季節外れの美味しそうなグアバの実がなっていました。
図書室にいる事務の方が「美味しそうだけど、届かないからいつも鳥の餌になっちゃいますね」と少し寂しそうに話されました。
「そしたらコトクが取りますよ!」とベランダにぴょんと出て、ベランダのヘリに座ってグアバの実を取ろうとしました。
すると事務さんに「危ないですよ!落ちちゃいますよ!」と半ば叫ぶ様に言われました。
『グアバの実を取ろうとして産婦人科医2階から転落』の新聞の見出しが頭に浮かび、ヘリからしょんぼりと降りました。
少し考えて、昔じいちゃんが作った柿を収穫する仕掛けを思い出しました。
病院のゴミ置場まで行き、壊れた点滴台を拾って来て、糸を使って仕掛けを作り始めました。
すると、通りかかった研修医君が「何やってるんですか?手伝いますよ!」と手伝ってくれました。
彼がアイディアを出して、棒の下にビニール袋をつけて、2人でグアバの実を取ろうと試行錯誤していました。

そしたら先程の事務の方もクイックルワイパーの棒やガムテープを貸してくれました。
さらには透析室の窓から看護師さんに「グアバですか、いいですねー」と声をかけてもらえました。
そして、何とかとった小さなグアバの実1個を研修医君と2人で分けて食べました。小さいときにおじいちゃんと柿をとった思い出話をしながら。

はじめて食べる生のグアバは甘酸っぱくて美味しかったです。
ここで思ったのが、「あの時考えないで行動していたらどうなっていたのか」です。
確かに一人でベランダのヘリから身を乗り出して、グアバの実一個くらいは何とか取れたかもしれない。
でも、こうして研修医君と成功を分かち合うこともなかったし、研修医君も事務さんも手伝ってくれなかったし、もしかしたら、本当にベランダから落ちて怪我をしていたかもしれない。
「考えて行動する」と周りの人が応援してくれる、手伝ってくれる、手伝ってくれた人と成功や失敗を分かち合い、共有することができる。
あー、これは人生だなあと思った出来事でした。

